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したため
したため♯7『擬娩』
分断に取り囲まれたわたしたちに残された手立ては、想像力の再起動だ
京都を拠点に活動する演劇ユニット・したためは、太田省吾、多和田葉子、テレサ・ハッキョン・チャなど言語の可能性を探求する作家たちのテクストを逐語的に接写するような作品、また、日々の暮らしのささやかな記憶を思い出すこと/思い出しそこなうことをめぐる作品を制作してきました。
そのしたためが新たに出会ったモチーフは、妻の出産前後にその夫が妊娠にまつわる行為を模倣する「擬娩(ぎべん)」。この奇妙な、そしてあまりに演劇的な習俗は、さまざまな分断に取り囲まれた今のわたしたちにこそ必要な想像力に違いありません。
演出:和田ながら
美術:林葵衣
出演:岸本昌也/増田美佳/松田早穂(dracom)
三田村啓示
したため
演出家・和田ながらの大学の卒業制作公演(09)のタイトルであり、またそれ以降、演出活動を行う際の個人ユニット名。名前の由来は、手紙を「したためる」。人間の営みについて、言葉や身体や時間を使って思考する試み。
わたしは妊娠したことがありません。したことがないので、できるのかもわかりません。わたしは妊娠にあこがれているのかもしれないし、妊娠を恐れているのかもしれない。真剣に考えることをのらくら避けてきた末に焦りにがんじがらめになってしまって、しかしその時ひらめいたのが、妊娠と出産のリハーサルでした。妊娠したことがない人間が妊娠をリハーサルするなら、女だけじゃなくて男も一緒にリハーサルしてみよう。そんなことを考えていたら、「擬娩」という人類学の用語に行き着きました。妊娠を演じるというアイデアは、人類の古くからの知恵だった! 驚くと同時に腑に落ちました。妊娠を演じることは、わたしひとりが考えていたよりもはるかに人間に必要で、そしてそれはまさしく今なのだと。
したため 和田ながら
「擬娩」とは…
これらの習俗は、子供の父が、子供の出産当時あるいはその以前又は産後のある期間、自分の床につき、節食に服して、しかも、その妻ではなくて、彼が分娩の苦痛を受けているかのごとく、一般に振舞うべき事を必要としている。その完全な形態においては、擬娩を遵奉する夫は、自分の床について、産褥にいるふうをし、時には、うめいたり、顔をしかめたりすることによって、分娩の諸々の苦痛を真似ることさえし、また時には、その妻の衣類を着ることさえある。『擬娩の習俗』(著:ワーレン・アール・ドーソン/訳:中西定雄/1929年)より
日時:
12月13日(金)20:00
12月14日(土)19:00 ★ポストパフォーマンストーク ゲスト:Miwa Matayoshi(soremomatayoshi)
12月15日(日)14:00 ☆ポストパフォーマンストーク ゲスト:芦立さやか(アートコーディネーター)
※開場は開演の30分前
※上演予定時間 90分
※終演後、ポストパフォーマンストークを実施します。
料金:⾃由席
前売り 一般=2,700円/25歳以下=2,000円/高校生以下=1,000円
当日 一般=3,200円/25歳以下=2,500円/高校生以下=1,500円
※25歳以下チケット・高校生以下チケットの方は当日の受付にて証明できるものをご提示ください
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